僕のファンタジーの一つは、外国のヒトになって日本に観光に来ること。そして、お土産を探すこと。
日本には様々な美しいもの、伝統的なもの、ステキなもの、そして変わったものやオカシナもの、アヤシイものがたくさんあります。
お土産としてかなり知られているのは、浅草橋で売られている精巧にできた食品サンプル。例えば、ベルギーのデザイナー・デュオ、A.F.ヴァンデヴォルストの2人が初来日した時も、浅草橋で食品サンプルのいくつかを購入していました。ナンに使うんでしょうね?
あるいは、日本ならではの職人さん専門の服や道具、これも人気があります。英国王立美術学院RCAのファッション学科長、ウェンディー・ダグワーシーが来日したときは、浅草の職人専門店でなにやら腹掛けのようなもの、足袋のようなもの等を纏め買いして帰りました。日英共通のトラッド・マインドを感じたのでしょう、とても英国の景色に似合いそうです。
地下足袋も人気商品です。マルタン・マルジェラが足袋シューズを‘発明’して以降、さらにポピュラーになった模様。シックなパリ・ジェンヌが、地下足袋を探し当てて狂喜していました。もちろん、あのまま履いてました。でも、なぜか違うものに見えたけど…
キディランドでは、皆‘プチシリーズ’に夢中です。実際どれも本当に良くできています。
我々にとっては日常的であったり、常識の範囲内であるものも、少し視点が違うだけで物凄く面白いものとして彼等の目に映るようです。
新幹線の駅で購入できる’駅弁‘にしたって、ヒモを引っ張るだけで、時には火傷に注意しなければならないほど暖かくなり、ガイジンさんたちはビックリするやら感心するやら…そう言えば、同じような原理のオサケ(ワンタッチでお燗ができる)もありましたっけ。冷たいほうでは、今は凍らせたミカンなんてないのかな?あれもフシギな存在ですよね。
最近の温泉地とかには、それぞれの地元限定の鬼太郎や目玉オヤジグッズもあります。頭がミカン化した伊豆限定のオヤジとか…あれってどこまでが頭なんだか目玉なんだか…
昨年のお正月、タワーレコードではヘッドホーンをした目玉オヤジの携帯ストラップがノベルティーで配られていました。もちろん、ニッポンのタワー限定でしたが(ですよね?)。
見るからに凄くお金のかかった、全身ブランド状態の女性のLVのバッグに‘青首大根クン’のお守りがぶら下がっていたり、クラシコ・イタリアのスーツをビシッと着こなした紳士の携帯電話にMR.ビーンの親友のクマが付いていたりするのを何度も目撃しました。
ニッポンって、ちょっと変わった国のようです。ワビ・サビといったデリケイトなセンスを知覚したシブイおとなの国かと思うと、そこら中にキャラクターが溢れていたり。JRから私鉄まで自由に乗れるチャージ式ICカードにもキャラクターがいたり、工事中の看板で謝っているのがクマだったりします。プリティー好きな国民?
また、古い神社の隣にガラス張りの超高層ビルが建つ一方で、スタイリッシュなデザイナーズ・マンションの屋上にも神社があったりします。多神教で何でもあり、です。
そんなニッポンの中でも、近頃のトウキョウは本当に目覚しい発展振りです。六本木(乃木坂)の防衛庁跡地にはトウキョウ・ミッドタウンができましたし、その直後には東京駅のまん前に新丸ビルが誕生しました。その新丸ビルには、ユナイテッドアローズ(UA)が入っています。
このビルは、個人的にもかなり評価の高い商業施設で、他のテナントさんたちもレヴェルの高いお店や飲食店ばかり。半日、いや一日でも見て楽しいところとなっています。新丸ビルのUAは大人向けのお店なので、オリジナルの他にもメンズではマイケル・タピアやクロム・ハーツ、ウイメンズではバーバリー・プローサムやチェザーレ・ファブリが揃っています。5階の飲食街なら‘随園別館’がお薦めです(本館は台湾だってご存知でした?)。
実は先週ロンドンに行っていたのですが、新丸ビルのような商業施設はロンドンやNY、パリやミラノにもありません。
新丸ビルから有楽町方面に一直線に伸びた丸の内仲通り沿いにはソブリンハウスや、コム デ ギャルソン、イヴ・サンローラン、ボッテガ・ヴェネタといったブランド・ショップも充実。そして通りの終わり近くスバル座という映画館(僕は高校時代に学校をサボって‘イージーライダー’やジョー・コッカーのツアー・ドキュメンタリー映画をここで観ましたが、勉強よりためになりました)の背中側には、ダージリン・デイズの本店があります。
まったくトウキョウはスゴイ。日本って面白い。
そういえば、ソブリンハウスで扱っている‘シャツジャケット’、これは旅にも便利なアイテムだと思います。着心地はシャツのように軽く、見た目はジャケットのようにマトモ。こういう軽いジャケットを着たら、ますます旅行が楽しいでしょうね。ボタンダウンのシャツを着て、コットンパンツを履き、日本でしか買えない別注のオールデンを履く。
そして、ガイジンさんになってガード下の焼き鳥屋さんやおでん屋サンに入ってみたい。隣の席で愚痴ばかり呟いているサラリーメンを慰め、ナニを見ても‘カワイイー’と叫ぶニッポンの女子たちの生態に注目し、下北沢で駆け出しのバンドのライヴを見て、ヴィレジヴァンガードで‘こんなCDパリにもNYにも売ってなかった!’と感動したい。
JAPAN IS COOOOOL!!ってね。